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変に落ち込んでいる私に気付いたのか、
「篠崎さん?どうしたの?
気分でも悪いの?」
と、鉄平が心配そうに声をかけてきた。
・・・いや、悪いのは気分じゃなく機嫌です。
「・・・いや、何でもない、大丈夫だから。
・・・それよりアンタさぁ、検査入院の結果、どうだったの?」
私は、はぐらかすように違う話題を持ち出す。
もちろん、はぐらかすためだけじゃなく、気になりもするから聞いてみたことだけど。
・・・でもたぶん、何とも無かったんだろうな。
だって学校の体育とか普通にやってたし、どっか具合の悪そうな感じでもないし・・・。
案の定、
「あ、うん、・・・何ともなかったんだよね、やっぱ。
僕の気にしすぎだったみたい。」
そう言って、鉄平は曖昧に笑った。
「そっか。良かった。
アンタ幸薄そうだから、“もしかして”って心配してたんだよね。」
「幸薄そうって・・・。
やっぱ何気にヒドイね、篠崎さん・・・。」
そう非難しながらも、相変わらず困ったような笑みを浮かべる鉄平。
そんな鉄平に、
やっぱりつられて私の頬も緩んだ。
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