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3学期のあの終業式の日から、一週間が経った。
待ち遠しかった春休みも、別に特別何かが起こるというわけでもなく、
いつもの日常がただ繰り返されている。
そんなこの頃。
「は゛あ゛ぁ゛あぁあ!!?」
女が出したとは思えない程濁った声を出した私に、
女っ気たっぷりの口調でしゃべる電話の相手は、面白そうに笑った。
笑いやがった。
『何その声っ、超ウケる~!!
優花意外にボケのセンスあるんだね~~!今のはウケたよ~っ、M-○優勝も夢じゃないって!!』
いや、ボケてないから。
あいにくウケを狙って出した声じゃねぇんだよオイ。
だけど今は、あえてそうツッコむつもりはない。
ボケだろうが声がおかしかろうが、今はそんなことはどうでもいい。
自分の部屋のベッドで寝転がりながら、結衣と電話をしていた私だったけど、
勢いよく上半身を起こした。
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