835人が本棚に入れています
本棚に追加
/564ページ
「なんっでッ私と鉄平で明日映画見に行かなきゃいけないのよ!?
もとはと言えばアンタが予約したチケットだろ!!」
『も~、だから何度も言ってるじゃ~ん!
明日急に予定が入っちゃったから、私は一緒に行けないんだって!』
「その“急な予定”が彼氏とデートだろうがアンタは!!
第一、この映画見ようって誘ったのはアンタでしょ!?」
『そんなにカリカリしないでよ~。
しょうがないじゃん、今日急にケンちゃんから、明日ヒマ?って聞かれたんだも~ん。
しょうがないしょうがない。』
いや、しょうがなくないだろソレ。
アンタ絶対、友情より男をとる典型的タイプだよ。
受話器から聞こえてくる、結衣の甘ったるい声を耳にしているうちに、
どんどん、携帯を握りつぶしてしまいたくなる衝動が大きくなる。
今の今まで何度私は、結衣を殴りたい衝動を抑えてきただろうか。
『まあまあ、そのお詫びのつもりで、私の代わりに遠藤君を映画に誘ってあげたんだから~、チケットももったいないし。
それに遠藤君も別にいいよって言ってたし。
ほらぁ、一件落着じゃん!!
めでたしめでたし~♪』
もう黙れ、そこのギャル。
何がめでたしだよ。
最初のコメントを投稿しよう!