デート

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「なんっでッ私と鉄平で明日映画見に行かなきゃいけないのよ!? もとはと言えばアンタが予約したチケットだろ!!」 『も~、だから何度も言ってるじゃ~ん! 明日急に予定が入っちゃったから、私は一緒に行けないんだって!』 「その“急な予定”が彼氏とデートだろうがアンタは!! 第一、この映画見ようって誘ったのはアンタでしょ!?」 『そんなにカリカリしないでよ~。 しょうがないじゃん、今日急にケンちゃんから、明日ヒマ?って聞かれたんだも~ん。 しょうがないしょうがない。』 いや、しょうがなくないだろソレ。 アンタ絶対、友情より男をとる典型的タイプだよ。 受話器から聞こえてくる、結衣の甘ったるい声を耳にしているうちに、 どんどん、携帯を握りつぶしてしまいたくなる衝動が大きくなる。 今の今まで何度私は、結衣を殴りたい衝動を抑えてきただろうか。 『まあまあ、そのお詫びのつもりで、私の代わりに遠藤君を映画に誘ってあげたんだから~、チケットももったいないし。 それに遠藤君も別にいいよって言ってたし。 ほらぁ、一件落着じゃん!! めでたしめでたし~♪』 もう黙れ、そこのギャル。 何がめでたしだよ。
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