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「えっと・・・謝ることがたくさんありすぎて、何から話していいか分かんないんだけど・・・
まず、母さんのことで、一杯嫌な思いさせてゴメンね。
本当はシュウの家庭、グチャグチャだったんだよね。
僕何も知らなかったから・・・小学生のころ、僕と一緒にいることで、更にシュウを傷つけてた気がする。」
考えてみれば、僕はシュウからいつもたくさんの楽しいことを教えてもらったけど、
シュウが僕から得たものなんてあったんだろうか。
得たとしても、とても暗い感情だけだったんじゃないんだろうか。
「あと・・・病院で記憶が戻った時に、『余計なことしないで』とか、ヒドイこと言ってゴメン。
僕のためにやってきたことだったのに・・・責めるように言ってゴメン。
本当はそんなこと、全然思ってない。
シュウには、やっぱり感謝の気持ちしかないから。」
シュウの頭が、わずかにピクっと反応する。
それでも、やっぱり僕に背を向けたまま動かないけど。
・・・シュウは、人の話を聞く時は、いつも相手の目をちゃんと見る人だ。
そもそも逃げたりだなんて絶対にしない。
だけどそれほど・・・僕にはもう、ウンザリしてるのかな。
そんなシュウを、僕はもう責めたりはしないけど。
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