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「・・・シュウ。僕さ・・・ずっと、シュウのこと縛ってたよね?
6年前の事件のせいで、シュウはずっと僕に罪悪感を持ってた。
だから僕に優しくしてくれたし、いつも僕のことを優先させてた。
僕はいつのまにか、それが当然だと思ってて、シュウにすがりついてたんだ・・・。
シュウに自分の理想を押しつけて、理想通りに振る舞ってくれるのを、いつも期待してた。
僕のヒーローでいてくれることを期待してた。
だから・・・」
言いきって、新鮮な空気を、肺に送り込む。
2,3度深呼吸して、またシュウの方に視線を遣る。
「いつのまにか、
シュウの心、見失ってたんだ。」
指先が震える。
だけど身体中が熱を持っている。
シュウは僕のヒーローだった。
僕の望むものはいつでも叶えてくれた。
僕のことをいつでも守ってくれた。
それが本当に嬉しかった。
だけど・・・
僕のその甘えが、いつも誰かを苦しめていた。
そして、そのツケが今、
僕に回って来ている。
シュウとの本当の別れが、
もうすぐそこまで来ている。
「ずっと、ずっと、ゴメン、シュウ。
シュウはもういい加減、僕とは関わりたくなかっただろうけど、やっぱり最後に、どうしてもシュウに謝りたか・・・」
ブハッッ
突然聞こえてきた、息を大きく吐き出したような笑い。
・・・・・へ?
僕は首を傾げ、目を少し見開く。
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