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「でも・・・っ
シュウはやっぱり、僕のヒーローだったよ。
誰よりも輝いてて、太陽みたいだったんだ。」
言いながら、また目頭が熱くなってきた。
それをごまかすように、僕は視線をシュウの足元に集中させる。
今ここで泣けば、シュウが困ってしまう。
これ以上、この人を困らせたくなんかない。
なのにシュウは、
再び笑い声を上げた。
「ハハハ、なんつーか、スゲェ、ゴッチの言うとおりだな!」
「・・・?どーゆう意・・・」
「やっぱお前、そーゆう奴だよな・・・。
何で、そんなに俺に、価値つけれんのかな。」
笑いを含めた息を静かに吐き出すと、シュウは僕の方に歩いてきた。
そして、1メートルほどの距離を空けて、僕の前に立つ。
僕は少し戸惑いながらも、シュウの漆黒の瞳を見つめる。
「昨日ゴッチに言われたんだよ。
『鉄っつんに会ってから、シュウは変わった』って。」
「変わ・・・?」
「確かにさ、俺昔、スッゲー自己中だった気がするわ。
お前だって覚えてるだろ?
何せ俺、その時お前のことイジメてたし。」
「え・・・う、うん。」
確かに小学3年生の頃、シュウにイジメられていた記憶が微かにある。
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