君の声が届く場所で。<㊦>

デート

私は再びベッドに寝っ転がると、

フゥー・・・

いったん息を吐いて、気分を落ち着かせることにする。

そして、自分の顔の横に放り出されている携帯を、再び手に取った。

メールの受信歴の中から、“遠藤鉄平”の名前を探してみる。

・・・鉄平とは、春休みに入ってから毎日というくらい、本当に頻繁にメールのやり取りをしていた。

皮肉なことだけど、あの日以来、確実に私たちの距離は縮まっていっているような気がする。

もちろん、友達として。

だから私は、難なくその名前の主の受信メールを、すぐに見つけることができた。

返信ボタンを押す。

題名：明日のこと

本文：結衣から聞いたんだけど、明日本当に映画見に行けるの？😁⤴

だったら待ち合わせ場所決めようよ✋💡

本文をそう作成して、メールを送る。

・・・・何だかんだ言って、

楽しみにしてるんだな、私は。

なんか恋する乙女みたいだな。

・・・いや、その通りなんだけど。