『罪悪感』

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もちろんタクマの事、嫌いじゃない。 外見で言えば、背が高くて整った顔をしているし、私みたいな冴えない女には勿体ないくらい。 性格は、私好みの知的なタイプではないけれど、良くも悪くも真っ直ぐな子。 私なんかに優しくしないでと思う。 今だって、駅までのたいした事ない距離の道を、私の足元を気にしながら歩いてくれる。 「麻衣はよく転ぶからなぁ」 なんて言いながら。 この子を愛せたら、幸せになれるのに。 なんて、やっぱり無理。 タクマはまだ子供だ。
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