『罪悪感』

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駅が見える所まで来るとタクマは立ち止まり、 「次会う時は、ホテル代俺が全額払うからね」 と宣言した。 私は、ぷっと噴き出し、 「なぁに言ってるの、割り勘で充分よ」 と、おでこを小突いた。 タクマは不満そうに唇を尖らせたあと、 「痛ってぇ。でもさ、最近の俺スゲー頑張ってバイトしてんだぜ。現場のおっさんに偉そうに説教されても、我慢してんのよ。やっぱコレは愛の力ってやつじゃね」 と、早口にまくし立て、今度は得意げな顔をする。 この子は本当に表情がコロコロ変わって面白い。
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