仁王雅治 『幻影の君』 ver.serious

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…………― ……― …― 気が付くと居たのは俺が何時も彼女に会いに行く、月灯りに照らされ桜の集落に包まれた小高い丘。 俺の隣には 彼女が居ない証が有った…―。 桜の樹に包まれて、月灯りに照らされた 冷たい石の墓標。 彼女の名前と生きた証(年代)が刻まれている墓には積もった桜の花の上に消えた彼女が 着ていた服が有った―…。 俺は其の服を取り彼女を抱き締める様に 抱き締める―。 其の勢いで服から落ちる桜。 瞬時に香る彼女の匂い…―。
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