周囲と違う現実

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周囲と違う現実

毎日が楽しかった。 いつも君に出会い、昼休みも、放課後も、君と遊ぶ毎日が幸せに感じられた。 でもある日の事だった。 僕は君に家に来てくれるように頼まれたので君の家へ向かった。 〝ピンポーン〟 足音が聞こえる。 〝ガチャ〟 母が現れた。 しかし良い顔はしていないようだ。 なぜなら僕が、周りと違うからである。 そう、僕は養護施設に預けられている人間なのだ。 養護施設とは親の居ない子供達や、仕事で面倒を見切れない親が子供を預けて面倒をみてもらう所なのだ。 僕は生後1歳ぐらいからこの施設で育ったのだという。 母は口を開く。 「麗佳はいないよ、貴方はあの施設の子よね?」 僕は言う 「そうです」 さらに君の母は 「あまりここには来て欲しくないの、麗佳と関わらないで欲しいの」 と言った。 僕は幼くともその意味が分かった。 でも真実を目の当たりに僕は戸惑った。 僕は周りからはあまり良くは思われていなかった事は薄々はきづいていた。 「はい・・・・。」 僕は呟いた。 すると僕の前の大きな鉄の扉が〝ガシャン〟と閉まった。 熱いものが目から込み上がる。 悔しくて...、悲しくて...、仕方がなかった。 そして直接その物事と対面したことで、僕は決断をしたのだった。 でもあまりにも急すぎた。 幼い僕にはあまりにも荷が重い。
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