稲荷の御珠

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まだ 行けるかもしれねぇ『…ク……ルシイ…ノ… ダレ…カガ 』   『あぁ……解るともさ 自分以外の奴が 体に入ってりゃぁ 苦しいさね…… ソイツの正体を知りたいんだ…… 誰なんだ…』 言い終わると 俺の頭の中に 女が見た 映像が流れ込んで来た                  それは 海岸                 優しそうな目で 女を見つめる男        足元に流れ着いた 翠の石           拾い上げる女の掌で 翠の石は 弾ける……               『勾玉か……』               多分誰かの強い意志が封じ込められていたのだろう…… それが この女の 「男を取られたくない」と言う心に呼応して 良からぬ物を呼び込んだ…… 『黒っ!!ソイツは 一体じゃねぇぞっ!!何体もの浮遊霊が集まってる お前一匹じゃ無理だ!』 『師匠……やらせて下さい… このままじゃ ミケ先輩に 顔向け出来ない…』          このバカタレ こんな時にプライドもへったくれもないだろっ!!!      ゴゥッ!!   黒が また 飛び掛かって行った
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