狐と犬

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『んもぅ❤照れなくったって良いじゃぁないかぁ❤アタシとアンタの仲なんだ 遠慮は無しだよぉ』口を尖らせ 腰をくねらせて 残念そうに御珠が言った          『俺は 慎ましい 女が好きなんだっ!』    『悪ぅ ござんした♪』            さてと どうしたものか…           何時までも此処に居ては 先刻の狛犬に 見付かってしまう 奴らは鼻が効くし           『あのぉ………猫の旦那ぁ?』 烏……まだ居たのか…… 俺が睨むと   『ちょっと待って………爪は無しにしてくださいよ』慌てて 三歩下がって烏が 話しをはじめた  『こんなのは どうでしょう?物事には何でも原因ってのがあるでしょ?そいつを先に解決すれば 旦那の今の状況も打破出来るんじゃぁ ないですか』           『知った風な口ぶりだなぁ……テメエ何処から見てたっ!!』御珠が烏の首を両手で締め上げる 『キヒィィィ………』 烏の鳴き声にしては 情けない音が クチバシから漏れ出た 『テメエ 私の男がやられてるのを 黙って見物していやがったねっ!』          『おいっ 御珠……  』俺が呼ぶと御珠が烏を放した 『そうだねぇ 首を絞めたんじゃぁ 話も出来ないか♪』 烏は ゼイゼイと 息を粗くしながら 『あいつらは 新米の狛犬なんですよ 何処にも属さない 暴れん坊で… だから… ホラッ 鳥以外の動物が 見当たらないでしょう? みんな あいつらにヤラレて 街を出ていったんです…』                 俺の顔を見ながら御珠が困り顔で言った    『参ったねぇ… アタシは稲荷だから 狛犬には 手出し出来ないし アンタ何か策はないのかい?』 『あるには あるが…… あんまり 気乗りしない策なんだ………』興味津々に 二匹は 俺を 覗き込む『なんだい なんだい?その策ってぇのは♪勿体付けないで教えとくれよぉアタシも協力するよぉ♪』 少し 黙ってから…… 『いや……御珠…… お前には 無理かも知れん』 『何でさっ!!アタシの強さは アンタが1番しってるじゃぁないかっ!』 御珠は今にも泣き出しそうだ  『吽鎧 の爺さんに会いに行く……』  御珠の白い顔が みるみる蒼く変わった
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