犬神の誇り

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犬神の誇り

御珠は 仙道場に来ていた仙道場と言っても 人間のそれとは違い 大きな洞窟の中の広場を利用し 壁等の部分を 木板で囲った簡素な作りである    だが それが 良かった  荒くれ者が 大暴れしても壊れる物もなければ 床に大穴が 開く心配も無かったからだ                  そんな中に 彼は立っていた 足元に 八匹の若者を眠らせ仁王立ちしていた『はぁ❤惚れ惚れするねぇ………❤』     『あの方が 我 犬神一族の新たな 長 阿豪様です』          雄々しく猛々しい 正に貫禄ある長だった 御珠が ウットリする筈である 周りの若者達でさえも目を奪われ 紅潮しているのが見て取れた      『やぁ いらっしゃい お客様が来るのは知っていたが これ程 美しい女性だったとは 私がお出迎えすれば良かった♪』 『おゃ♪随分と お世辞が上手いじゃないかぃ♪けど……アッチの方も上手いのかねぇ♪♪』   流し目をしながら 阿豪の顔を 覗き込む     『姉サン それくらいにしといた方が良いですよ それとも新任族長サンの生気を吸い取っちまうおつもりですか?』     『んもぅ!!空気の読めない「馬鹿烏」だねぇ! こうゆう時は 察して 席を外すもんなんだよっ』           
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