闇に浮かぶ者

1/2
前へ
/55ページ
次へ

闇に浮かぶ者

伝令役を買って出た九髏は 目的の場所へ飛んでいた ミダスに「呪」をかけて貰う事により 遠距離での通信が 可能になる  『九髏 その辺りに 渡した物を 引っ掛けて置いてくれ』 ミダスの声に 九髏は嬉しかった    『旦那ぁ~♪やっと 名前呼んでくれましたね♪』 『ふんっ 使える「餌」は嫌いじゃ ないんでな』            翌朝のまだ 西の空が暗い時間の 事だ                            ……東の空が 明るくなりだした頃には 既に皆 目を覚まし 身仕度を整えていた          『あの 犬野郎共 まとめて地獄を見せてやる!』 そんな 俺の独り言に 阿豪が 苦笑いしながら こちらを見ていた    『なんだ??俺 おかしな事言ってたか?』   『いぇ…… ただ 私達 犬神一族も 犬なので……』           『そう言やぁ そうだな』           『このミダスは 昔から 口と態度だけは 象よりもデカイからなぁ』そう言ったのは 阿形だった  『フン 器まで 小さいお前に言われたくないな』『ほらな♪デカイ態度だろう?人の家で世話になっておいて この言い草だ 誰も 敵わないさ』             阿形は 吽鎧爺さんの「お付き」と言う職務の為 ここへ残るらしい 秘書の様なものと考えて良いだろう          『そろそろ 出発しようかねぇアンタ❤』    『そうだな 九髏の事も 気にかかるしな』   俺と御珠 そして 阿豪 先に行っている 九髏を入れて四人が 敵地に向かう事になっていた
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加