第一章 飴に3秒ルールは通じない

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二大大陸の一つ、東のレシンピア大陸を統轄する大国【クロノス王国】。       そのクロノス王国東部に位置する商業都市【ギルティア】。 世界各地から様々な物品が集まる賑やかな都市である。       晴れ渡る空の下、出店や露店が立ち並び人の多いメインストリートを、二人の少年が歩いていた。       一人は身長170cm位の細身に、長過ぎない金色の髪を無造作に立たせている。 鋭い目付きに金の瞳が真直ぐ、目の前を見据えていた。       もう一人は小柄な体、サラッとした肩まで届きそうな黒髪を下ろし、垂れ目が長い前髪に少し隠れている。       そんな二人の格好に気付く度、周りの人々は驚き見つめた。       二人の少年が着ているのは、クロノス王国が誇る【国立ファーミリア魔法学院】の指定制服。       濃紺色のブレザーの左胸に金と赤の糸で縫い付けられた校章。 それに赤、青、緑と学年別に色分けされ、二人の胸元を飾る赤ネクタイがそれを象徴していた。
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