二、葛藤

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「さ、早く進みましょう。」 宮脇さんは繋いだ手を強く握り直した。 「そこそこ、何か動いてる!絶対何か出てきますよ!!」 私は指差しながら言った。 「大丈夫!行きましょう!」 宮脇さんは勇ましく進んだ。 「うわぁ!!」 宮脇さんはまた叫んだ。 見ると、壁から手が沢山出ていた。 もちろん、偽物だが。 私達はさらに進んだ。 私はなんだか宮脇さんのびっくりする姿がおかしくって、あまり怖く無かった。 角を曲がると、狭い通路があった。 片側は壁、もう片側は何か出てきそうな雰囲気だった。 私達はそそくさと通り過ぎようとした。 するといきなり、お化けが飛び出してきて、私達をつかむような仕草をした。 「わぁ!!」 「きゃあ!!」 私達は叫んだ。 そして、壁側に背中をつけるようにして硬直していた。 宮脇さんが進まないと、私も進め無かった。 するとお化けは、また私達をつかむような仕草をした。 「きゃあ!!早く進みましょう!」 私は宮脇さんを軽く押した。 宮脇さんと私は走って逃げた。
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