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「二、三分じゃないかねぇ。」
女性は言った。
「もしもし、はい聞こえましたか。はい、初めての出産です。いや、俺は違います。旦那はいないって。え?はい、わかりました。」
男性は耳から携帯を離し、女性に差し出した。
「婆さんに変わってくれって。」
「あたしかい?」
女性は携帯を受け取った。
「ああ、腰を…。」
私は叫んだ。
「あんた、代わりにさすって!」
女性は男性を指差し言った。
「え、お、俺?」
男性は戸惑った表情で固まった。
「ヒッヒッフー。早くー!」
私は自分で腰と下腹部を支えながら叫んだ。
「はい!」
男性は私の側に座り、恐々と腰をさすった。
「もっと強く!」
私は叫んだ。
「お、おう、これ位か?」
男性は少し力を強めた。
「もっと!」
私はまた叫んだ。
「もしもし、はい私は三回経験してます。はい、はい、ええ、はい、ヒモですか…。縛って、ギザギザに切る。はい、温めて、はい。わかりました。はい、ありがとうございます。」
女性は携帯から耳を離した。
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