一、出会い

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「二、三分じゃないかねぇ。」 女性は言った。 「もしもし、はい聞こえましたか。はい、初めての出産です。いや、俺は違います。旦那はいないって。え?はい、わかりました。」 男性は耳から携帯を離し、女性に差し出した。 「婆さんに変わってくれって。」 「あたしかい?」 女性は携帯を受け取った。 「ああ、腰を…。」 私は叫んだ。 「あんた、代わりにさすって!」 女性は男性を指差し言った。 「え、お、俺?」 男性は戸惑った表情で固まった。 「ヒッヒッフー。早くー!」 私は自分で腰と下腹部を支えながら叫んだ。 「はい!」 男性は私の側に座り、恐々と腰をさすった。 「もっと強く!」 私は叫んだ。 「お、おう、これ位か?」 男性は少し力を強めた。 「もっと!」 私はまた叫んだ。 「もしもし、はい私は三回経験してます。はい、はい、ええ、はい、ヒモですか…。縛って、ギザギザに切る。はい、温めて、はい。わかりました。はい、ありがとうございます。」 女性は携帯から耳を離した。
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