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「何だって?」
男性は言った。
「とりあえず、救急車来るけど、受け入れてくれる病院探さなきゃならないし、エレベーターが開かないとどうにもならないってさ。レスキュー隊が来るのも一時間はかかるから、会社の人を待った方がいいって言ってたね。」
女性は携帯を男性に差し出し言った。
「でももしここで生まれたら…。」
男性は言った。
「生まれる可能性もあるから、準備しといてくれって。」
女性は言った。
「準備?」
男性は眉をひそめた。
「赤ちゃんが生まれたら、なるべく綺麗な布で保温して、臍を結ばなきゃいけないって。」
女性は言った。
「布?布なんて無いぞ!あるのは着ている服位しか…。」
男性は私や女性の服装を見た後、自分のスーツを見た。
「俺のジャケットしかないな…。」
男性はジャケットを脱いだ。
「そうさねぇ、私のカーデガンも使おうかねぇ。あとハンケチないかね?」
女性はカーディガンを脱ぎながら言った。
「ああ、あまり綺麗とは言えないが…、洗濯してから使ってないから大丈夫だ。ヒモなんてないぞ。」
男性はポケットからハンカチを出しながら言った。
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