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しばらくすると足音が聞こえた。
「こんにちは。」
宮脇さんが顔を出した。
「こんにちは。昨日はありがとうございました。」
私は笑顔で言った。
「いえ、こちらこそ二日間も付き合って頂いてすみません。」
宮脇さんは鍵を閉めながら言った。
「いえ、貴重な休みを潰して頂いて嬉しいです。」
私は宮脇さんの背中を見ながら言った。
私達はエレベーターに乗った。
「ここで全てが始まったんですね。」
宮脇さんは言った。
「ええ、あの故障がなければ、宮脇さんとすれ違うことはあっても、こうやってお話ししたり、どこかに出かけたりは無かったですよね…。」
私は言った。
「そうですね、俺は妊婦さんがいるなとは思ってましたが、普通に旦那さんがいると思ってましたから。」
宮脇さんは言った。
「でも宮脇さんは彼女さんとか居ないんですか。もしいてるなら、申し訳ないなと思いまして。」
私は言った。
「まさか、いたら殺されますよ。なかなか仕事ばかりやと出会いも無いですし。」
宮脇さんは笑って言った。
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