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「職場には女性はいないんですか。」
私は笑いながら言った。
「いますよ。でも若すぎるか、食堂のおばちゃんしかいないんで…。」
宮脇さんと私は駅に向かって歩きながら話した。
「若すぎって何歳なんですか?」
私は宮脇さんの顔を見て言った。
「多分大学卒業してすぐなんで二十二歳じゃないですかね。自分と一回り違います。」
宮脇さんは言った。
「なるほど、じゃあ私達は六歳違うんですね。」
私は言った。
「六歳?じゃあ…二十八歳ですか?もっと若いかと思いました。」
宮脇さんは言った。
「すみません、思ったよりおばちゃんで…。」
私は宮脇さんから少し離れてすねた様なふりをした。
「いや、そういう意味じゃないですよ。」
宮脇さんは焦って訂正した。
「ふふふ、冗談ですよ。若く見られるのは嬉しいです。宮脇さんも私服やと三十四には見えませんよ。」
私は振り返って言った。
「私服やとって…。スーツは年相応ですか。ショックだな。」
宮脇さんは言った。
「落ち着いて見えるって事ですよ。」
私は笑って言った。
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