二、葛藤

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私が動かずに立っていると、宮脇さんは振り向いた。 「大丈夫ですよ。」 優しい笑顔でそう言い、手を伸ばした。 「…。」 私は宮脇さんの手を見つめた。 「手を繋いだら怖くないでしょ。」 宮脇さんはそう言いながら私の方に歩いてきて、私の手をとった。 「わ、わかりました。ああ!!でも怖い!」 私は宮脇さんに引っ張られながら叫んだ。 「大丈夫、大丈夫。」 宮脇さんは早足で私を引っ張りながら進んだ。 「無理です、無理ですってば。」 私は後ろ方向につっぱるようにしながらも、宮脇さんに引っ張っられながら歩いて行った。 「ゆっくり行ったらよけい怖いですよ。早く進みましょう。」 宮脇さんは気丈に言ったが、よく見ると少し顔がひきつっている。 私はお化け屋敷は怖いけど少しおかしくって、微笑んだ。 「うわぁ!!」 宮脇さんの叫びに私も体がビクッとなった。 見ると、人形が飛び出していた。 「びっくりした~。」 宮脇さんは頭をかきながら言った。 「ふふ。」 私はまた笑った。
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