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私が動かずに立っていると、宮脇さんは振り向いた。
「大丈夫ですよ。」
優しい笑顔でそう言い、手を伸ばした。
「…。」
私は宮脇さんの手を見つめた。
「手を繋いだら怖くないでしょ。」
宮脇さんはそう言いながら私の方に歩いてきて、私の手をとった。
「わ、わかりました。ああ!!でも怖い!」
私は宮脇さんに引っ張られながら叫んだ。
「大丈夫、大丈夫。」
宮脇さんは早足で私を引っ張りながら進んだ。
「無理です、無理ですってば。」
私は後ろ方向につっぱるようにしながらも、宮脇さんに引っ張っられながら歩いて行った。
「ゆっくり行ったらよけい怖いですよ。早く進みましょう。」
宮脇さんは気丈に言ったが、よく見ると少し顔がひきつっている。
私はお化け屋敷は怖いけど少しおかしくって、微笑んだ。
「うわぁ!!」
宮脇さんの叫びに私も体がビクッとなった。
見ると、人形が飛び出していた。
「びっくりした~。」
宮脇さんは頭をかきながら言った。
「ふふ。」
私はまた笑った。
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