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「何だって?」
男性が私を見て言った。
「停電だからどうしようも無いって…。停電が直るまで待つしかないって。」
私は携帯をバッグに入れながら言った。
「くそっ!早くどうにかしてくれ!」
男性はエレベーターのドアを叩いた。
そしてその場に座り込んだ。
しばらく沈黙が流れた。
私は頭痛と下腹部がチクチクするのを感じた。
「にしても長い停電だねぇ。」
女性は言った。
「ええ…。」
私は目の前がチカチカするのを感じながら答えた。
こんな状況だし、ずっと立っているから体が疲れているみたいだ。
地べたに座ってもいいけど、冷えは良くないっていうし…。
「ずっと立ってて大丈夫かい?なんか顔色悪いよ。」
女性は私の背をさすりながら言った。
「ちょっと頭痛とめまいが…。」
私は眉間を押さえながら答えた。
「座りなさいな。」
女性は私の背中をさすりながら言った。
「あ、はい。」
私は女性に促され座った。
お腹がつっかえて三角座りは出来ない。
あぐらをかいて座った。
「お腹大丈夫かい?」
女性は言った。
「ええ、でもなんだかチクチクする感じがあるんです。」
私はお腹をさすりながら答えた。
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