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順番が来て、座席に案内された。
幸運な事に、一番前だった。
「何年ぶりかな…。わからない位、今は緊張。」
宮脇さんはバーを下ろしながら私の顔を見た。
「大丈夫ですよ。面白いですって。」
私は宮脇さんの手を握った。
宮脇さんの手は汗ばんでいた。
「では発車しま~す。行ってらっしゃい。」
お姉さんのアナウンスが聞こえ、動き出した。
「うぉ!動き出した!」
宮脇さんは叫んだ。
「この、いつ落ちるかわからない感覚がたまらなくいいんですよね~。」
私は笑顔で言った。
「やっぱり、止めとけばよかった…。」
宮脇さんがつぶやいた。
その直後に頂上を越え、下に落ちた。
私は大きく息を吸い込んだ。
「きゃ~!!」
大声で叫んだ。
隣の宮脇さんは意外と静かだ。
右へ左へとカーブするたび、体に遠心力がかかる。
そして小さな山を乗り越え、一回転。
何度かカーブを進み、終わりがきてしまった。
バーが上がり、私達は荷物を受け取り、階段をおりた。
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