二、葛藤

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順番が来て、座席に案内された。 幸運な事に、一番前だった。 「何年ぶりかな…。わからない位、今は緊張。」 宮脇さんはバーを下ろしながら私の顔を見た。 「大丈夫ですよ。面白いですって。」 私は宮脇さんの手を握った。 宮脇さんの手は汗ばんでいた。 「では発車しま~す。行ってらっしゃい。」 お姉さんのアナウンスが聞こえ、動き出した。 「うぉ!動き出した!」 宮脇さんは叫んだ。 「この、いつ落ちるかわからない感覚がたまらなくいいんですよね~。」 私は笑顔で言った。 「やっぱり、止めとけばよかった…。」 宮脇さんがつぶやいた。 その直後に頂上を越え、下に落ちた。 私は大きく息を吸い込んだ。 「きゃ~!!」 大声で叫んだ。 隣の宮脇さんは意外と静かだ。 右へ左へとカーブするたび、体に遠心力がかかる。 そして小さな山を乗り越え、一回転。 何度かカーブを進み、終わりがきてしまった。 バーが上がり、私達は荷物を受け取り、階段をおりた。
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