動く密室

二、葛藤

「チョコとバニラが交互に出てくるんでしょうね。やっぱり久しぶりに食べるからには、両方の味を楽しみたい私みたいな人にとっては最高ですね。」
私は笑顔で言った。

「本当、美味しそうに食べますね。」
宮脇さんは煙草を消しながら言った。

「食べてみます？」
私はソフトクリームを差し出した。

「頂きます。」
宮脇さんは少しソフトクリームをなめた。

「うわっ。甘い！」
宮脇さんは言った。

「やっぱり苦手ですか？」
私は笑って言った。

「そうですね。やっぱりお酒が一番ですね。」
宮脇さんはコーヒーを飲んだ。

「これからどうしましょう。」
私は言った。

「ちょっとしばらく絶叫は勘弁して下さい。」
宮脇さんは苦笑いして言った。

「メリーゴーランドにしますか。」
私は笑って言った。

「さすがにこの年では無理ですね。」
宮脇さんは笑って言った。

「じゃあ…。お土産でも買いに行きますか。」
私はソフトクリームの最後の一口を口に入れた。