二、葛藤

43/59
前へ
/835ページ
次へ
「良かったら、何か記念にお揃いのキーホルダーでも買いませんか。」 宮脇さんは寂しそうな表情で言った。 「えっ。はい。嬉しいです。」 私は答えた。 宮脇さんはボールペン売り場からキーホルダー売り場に向かった。 「どれがいいですか。」 宮脇さんはキーホルダーをみて言った。 「う~ん…。」 私もキーホルダーをみた。 その辺で売っているような物もあるし、遊園地の名前やキャラクターが入っている物もある。 せっかくだから、やはり特別なお揃いにしたい。 「じゃあこれにしませんか。」 私はキーホルダーを指差して言った。 「いいですね。遊園地らしい。」 宮脇さんは言った。 私は観覧車のキーホルダーを二個手にとった。 ステンドグラス様に作られた綺麗なキーホルダー。 「あ、ボールペン忘れてました。」 宮脇さんは言った。 「あまり派手なのは仕事中使えませんよね。スーツの男性がキャラクターや花柄を使ってたら笑えます。」 私は少し笑って言った。
/835ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加