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「ご、ごめんねっ!」
満美子はその気まずい雰囲気の中、勇気を出して謝った。
ワザとじゃないとは言え、自分が悪い事は分かったからだ。
だが、何が気に入らなかったのかは分からないが、富田林は満美子の顔をにらみつけて、こう言った。
「篠村、何やってんだよ!食い物が勿体ねぇだろうが!世界には食うことさえ出来ない人がたくさんいんだぞ!」
一応正論なので、満美子は何も言えなかった。
「食い物を粗末にする奴に食わせる給食はねぇ!みんなもそう思うよな!?」
富田林の凄い剣幕を恐れたのか、クラスの3分の2程が必死に頷き、残りは何も言わなかった。
それを見て満足そうに頷き、富田林はこう言い放った。
「よって、今日の篠村の給食は抜きだ!味噌汁を台無しにされた俺が全て頂く!」
満美子には震える足を止める事さえ、出来なかった。
担任を見ると、青ざめた顔で震えていた。
(紀野宮(きのみや)先生、私どうしたら――?)
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