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私はホッとしながら冷めた給食を食べながら、思った。
(味噌汁なんか大嫌いだっ!)
だって、味噌汁がキッカケで給食を食えなくなりそうだったのだ。
きっと富田林は味噌汁が大好物だったに違いない、だからあんなにキレたんだ。
私が悪い事は分かってるけど、それでも味噌汁にケンカを売らずにはいられなかった。
そして、丹崎君を見つめて思った。
(丹崎君、ありがと。)
もし丹崎君がいなかったら、どうなっていたか分からない。
私はジッと、丹崎君を見つめ続けていた。
そんな私の視線に気付いたのか、丹崎君は私に向かって微笑んだ。
私は顔が少し熱くなって、何故か恥ずかしくて堪(たま)らなくなって、思わず下を向いてしまった。
給食の味なんて、分からなかった。
ただ、丹崎君の事を頭に浮かべていた。
私は私の事が、自分の事なのに分からなかった。
ただ、丹崎君の事をもっと知りたいと思っていた。
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