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勝也は銃撃で崩された石を両手に拾い、仲井を誘うように頭を上げると、仲井はすぐに数発撃った。勝也は銃撃が収まるやいなや立ち上がり、瞬間的に二つの石を仲井目がけ、投げつけた。
岩場を登ろうとしていた仲井は不意をつかれ、自分に目がけて飛んでくる塊を見送ることしかできなかった。
最初の石は見事にコントロールされ、仲井の右肩を命中。注意が肩にそれ、顔を上げた瞬間、あと一つの石が額に命中した。
仲井は登りつつあった岩場からころげ落ちてしまった。
「今だ!行くぞ!」
勝也は怖じけづいて混乱してしまった二人を正気づけ、三人は全速力で降りてきた緩やかな崖を登リだした。
「うわ~~~しぬ-!!」
と甲斐と悟は必死だ。
こんな不安定な崖を素早くかけあがれるのか、と火事場のバカ力がコンビを勇気づけた。
仲井は急いで体制を整え、再び銃撃する。
『パラララララ!!!!!』
三人が駆け上がったところをなぞるよぅに、鉛の雨が降り注ぐ!
『ジュババババ!!!』
三人の足もとまで迫る!
砕かれた岩が粉となり、列をなす。
あと少しで崖を登リきり、弾が届かないところに行き着ける!
「いだ!!!」
悟がコケた!
『ジュババババ!!!』
弾も三人の後を追う!!
甲斐と勝也は登リきった。しかし悟が危ない!
悟と甲斐は手を伸ばした!
すぐ悟の下には鉛の雨が!
『ジュババババ!!!』
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