第9章 イエスム号沈没事件

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  三人は再び森へ飛込んだ。小道をかけだした。まだ夜は明けないようだ。夜が明けたら、今度は野人が巡回してしまう。タイムリミットは決まっていた。   甲斐はアジトへ   勝也と悟は仲居をアジトから遠ざけるように走った。   勝也におぶわれている悟は、後ろを恐る恐る見た。   白い服がチラチラと森の木の隙間から見えた。仲居が追い掛けて来ている。   小道が二手に分かれている。 「甲斐くんそこは右へ曲がるんだ。」 後ろから勝也が呼び掛けた。 「オッケイです!」 甲斐は左へ曲がって行ってしまった。   「おーい!!またかよ!!」 悟はヒステリックに叫んだ。強盗を追い掛けたときを思い出した。 「くっ!そっちはあの洞穴につながるぞ」 勝也は進路変更はできないのでそのまま右へ曲がった。
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