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甲斐は必死に走った。もうすぐ朝が明けてしまうので、かなり必死だった。
そして少し冷静にしてると、そう言えば後ろに勝也と悟の足音がしない。
走っているスピードを減速し、後ろを見た。
誰もいない。
「あ!!!!…また右と左を間違えた。」
甲斐はガックシとうなだれた。
あの強盗のときと一緒じゃねぇか……。
『パラララララ!!!』
頬を何かがかすめた。暖かいものが頬を伝うのが分かった。
さっと後ろをふりかえった。
仲居がこっちに走ってくる!
「やべー!!なんでコッチに来るんだょ!!死ぬ、死ぬ~~~~!!」
甲斐は思わず小道から、人が開拓していない草ボーボーのところへ飛込んだ。
と、足が地に着かないのを感じた。甲斐はまっ逆さまに穴に落ちてしまった。
仲居は甲斐が落ちていった穴を見下ろした。穴は気味がわるいくらい暗く吸い込まれるよぅだった。『パラララララ』
穴に銃を発砲し、仲居はこの場を去った。
甲斐は穴の底へ辿りついた。足が上を向き、なんとも情けない格好だ。
『パラララララ』
上から銃声が響いた……。
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