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甲斐は嫌な予感がした。
穴は真っ直ぐに下にのび、底の部分は少しカーブしていて、甲斐はその奥でつっかえていた。
『ジュバババ!!』
上から中居が撃った弾が底のカーブの手前で唸った。
「うわぁ!!!」
甲斐はビックリしてもっと奥に落ちていった。
ドシン…
「いって……」
窮屈な穴は大きな廊下のような洞穴に繋がっていたいた。
甲斐は辺りを見渡していると、明らかに自然に出来た洞窟ではなかった。
綺麗に四角にくりぬいた大きなトンネルになって、天井には蛍光灯らしきものが間隔を隔てて着けてあり、まだチカチカと点滅をしていた。
そのフラッシュのおかげで、トンネルの様子がよくわかった。
「しかしなんだ…本当に無人島か?ここは…」
甲斐の腕に鳥肌がたった。いっこうにその不気味で嫌な寒気は止まらなかった。
「まさか、ここって勝也さんが案内してくれた、あの洞穴の中か!?」
あの勝也が入るのをためらうほどの嫌な感じがする洞穴に甲斐は入ってしまったのだ。
鳥肌が止まないのはそのせいだろうか…?
甲斐は一人でトンネルを進みだした。チカチカと光が奥のほうを一瞬照らすが、ずっと続いているような気がする。
コツコツと甲斐の足音が響いた。
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