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「で、でたぁ────!!」
悟は勝也の背中でジタバタして叫んだ。
「ま、まずいぞ。」
あの勝也までも不意を打たれた感じで後退りをするほどだ。
野人が四足歩行でのっしのっしと歩みよる。
その度に勝也は後ずさりしてしまう。
「ガァ─────ァ!!」
ついに飛びかかってきた。
と、勝也はその瞬間に悟を背中か振り落とし、身軽になった体から強靭な腕からなせる右ストレートを放った。
野人の右腹におもいっきり拳が食い込んだ。
悲痛な悲鳴を鳴らし、右へ吹っ飛んだ。
しかし、悟は立派なオシリを強打し、野人と同じようにジタバタしていた。
「うわー…ケツ割れた…」
そう言いながら悟は仰向けになったまま、首を起こし後方のほうを見てみると、もぅ一体野人がいるではないか。
「い!!!!」
悟が驚いた否や、飛びかかってきた!
悟は上手に体を起こし、野人はそのまま地面へダイブし、そのまま叩き付けられた。悟は怪我をした片足のバランスが取れなくなり、野人へ倒れこんでしまった。
野人は打ち所が悪く、そのまま気を失った。
「あら…はは、もうけ!」
悟は自分が強くなったような気がした。
『ガサ』
草影からまた何かが出てきた。
悟と勝也はその方へ体を向け、臨戦体制を構えた。
『パラララララ!!』
出てきたものは粉ごなになった野人の真新しい死体だった。
中居が草むらからのっしりと現れた…
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