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下を向くと
小さい男の子がいた
あれ……
動物じゃない。
普通に人間に見える
何だか安心して
ちょっと泣きたくなった。
自分以外人間じゃなくなったわけじゃないと思ったから
嬉しかった。
「お姉ちゃん、何かあったの?」
男の子は
あどけない顔で私の事を理解してるみたいに
優しく問いかけてくれた。
「ううん、なんでもないよ。ありがとうね」
私はそう答えて無理な笑顔をして見せた。
その時
男の子を呼ぶ声が聞こえた。
ふり返ると鹿の顔した人が男の子を呼んでいた。
あぁ…
この子だけなのかな…
そんな風に思いながら男の子を見ていると
優しい笑顔で手をふってく
れた。
少し気が楽になって再び家に向かって歩き出した。
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