プロローグ

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そう呼びかかけたのに   私に向かって顔を見せたのは 保健室の先生ではなかった。 そこにいたのは大きな鼠だった。 先生の服を着た大きな鼠。 とてつもない衝撃を受けた。   屋上から落ちたせいかも 区別は…つかないでも上手く声が出なかった。 「目覚めたの!良かったわ!!」 大きな鼠が喋った。   「屋上から飛び降りるなんて…下に木がなかったら、あなた死んでたのよ!痛む所ない?」 鼠が私の体を触る小さい手で。 「はい…大丈夫です…すいません…」 先生が鼠に見えるとは言えず、誤魔化した。 「救急車が来るまで安静にしとくのよ、後屋上から飛び降りたなんて…言っちゃだめよ学校が問題になるから!」 あぁ…そうか、 結局は私の事より学校が大切なのか。   他の先生にでも言われたのだろうか。 そう考えていくうちに 私はまた意識を失ってしまった…。 再び目覚めた時は病院だった。
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