睡魔に襲われ眠りについた

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春、暖かな日差し射す昼下がり。 「ふぁ……眠ぃー」 軽く口に手をやりながら欠伸する俺、葛城 亮。 一応、間違いのないよう言っとくが俺は『女』だ。 自分の事を俺と言おうが見た目(っつーか格好?)が男に見えようが俺が紛れも無く女である事実には変わりねぇ。 まぁ……そこまで強調しないでも構わねぇんだけどな。 周囲いわく男とも女とも判別つかないくらい中性的+微妙にコンプレックスな童顔と言われる所為で実年齢より幼く見えてしまうらしい俺。 そんな俺が現在、居る場所はといえば、 「あー……やっぱココが一番あったけーし寝やすいな」 屋根。 「やっぱ昼寝すんなら暖かい屋根の上に限るよなー。」 そう、俺はいつもの如く自分の家の屋根に上り寝転がっていた。 やたらに好奇の目で見られても言われても面倒だから、さすがに毎度は無理だけどな。 そんな事を思いながらもゴロリと転がり体制を変えながら考えるのは。 「そーいや、咲羅ちゃん、どうしてっかなー……」 危なっかしい妹兼、俺が運営するサイトの相方でもある紫ノ宮 咲羅の事。 咲羅ちゃんも俺も互いに顔を知っていてメールや電話で会話をしたりはするけど実際に逢った事は一度もない。 けど知り合って以来、何故か馬が合い意見や考えも直ぐに伝わる上、普段人には言えない事やプライベートな事まで話せる俺らは、かなり不思議な関係を保っていた。 「……多分、今の時間帯は忙しいんだろうな」 家事に追われてるとか? まー今日の夜辺り連絡してみっか……そんな事を考えながら、うつらうつらし閉じていく瞳。 そんな俺が短時間にも関わらず深い眠りについたのは数分後の事だった。 .
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