プロローグ

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そんな中、隣の席の女子高生が、表情を変えず金髪の若者に質問する。 「加藤さんでも、ディカプリオを追って、ヒロインが海に沈んでいくシーンで泣いたりしたの」 若者は少し戸惑った後、ああと、うなずいた。僕は驚いた。周りのみんなも動揺している。 「ヒロインは沈まないんだけどな。嘘ついたって駄目ですよ。シャカリサーチは騙せませんって」 女子高生は真っ直ぐな瞳で、若者を見つめた。 金髪の若者の顔つきが変わる。真っ赤な顔で身を乗り出してきた。 「おい、コギャル。お前、何様のつもりだよ」 「やだ、今時コギャルって頭古すぎ」
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