第一章

2/9
前へ
/141ページ
次へ
数時間前。  雲ひとつない、夏の空。青葉が茂る桜並木の続く道。  学生達が校舎から校門に向かって、ぞろぞろと歩いていた。皆、期末試験が終わり、うれしそうな顔をしている。   高校二年生の、僕こと二ノ宮雄太は、親友の翔と試験結果について話していた。 「三権分立だよ。分裂してどうすんだよ。スライムじゃないんだから」 と僕はあきれた。 翔は少し落ち込んでしまった。今回は珍しく、苦手な『政治・経済』を頑張ったらしい。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

957人が本棚に入れています
本棚に追加