「彼」

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「ぁ、もう7時だ。そろそろ帰った方がいいね。送るよ。」 何気なく時計に目をやったらしい透が、ソファから腰を上げた。 すっと離れた気配に、安心と同時に寂しさに似たモノを感じる。 心に隙間があるみたいだ。 「うん。」 テーブルに置かれた2つのマグカップが、寂しさを訴える象徴のように見えた。 .
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