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「では、頼んだぞ昌浩殿」
「分かりました。」
踵を返し立ち去る敏次が見えなくなってから昌浩は、はぁ…と息を吐き出す。
嫌みこそなくなってきたものの、やはり彼の態度はとげとげしい。
最近は大分緩和されていたというのに
「また俺、何かやらかしたかなぁ……」
肩を落としながら昌浩が振り返ると、そこにはキャンキャン吠える物の怪とそれを軽く受け流す勾陣。そしてそれを傍観している六合と言う、最近良く見られる風景が広がっていた。
なぜだが、そんな光景を見つめていると悩むのが馬鹿らしくなってくるからなんとも不思議である。
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