ありふれた日常

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そうこうしてると、麻里が入ってきて、いつの間にか俺の隣りに座っていた。 「一人でこんな事してたんだ~。もしかして、サプライズでプレゼントしようとしてた?」 「そうだよ。でも、今更だしな」 「私はサプライズより、一緒に作りたい。 ここのお店はどっちにしろ、透吾と寄る予定だったし」 「え!そうなの?」 「だって、ペアリングしてるし、今度はブレスかな~って思ってたから」 思ってる事一緒だし。 ブレスをいじりながら、思わずにやけてしまった。 「一人で何にやけてんの?」 「ん?考えてる事一緒だなって」 「そうだね」 それから、何度も悩みながら、ブレスを作っていた。 俺のブレスは透吾のイニシャル『T』と麻里のイニシャル『M』があり、星のチャームとクローバーがある。 麻里はイニシャルは同じでハートのチャームとクローバーがある。 「出来た~」 「うん。可愛いねぇ~」 予想よりも良い出来にまたにやけた。 でも、これは麻里の意見が八割だしな。 やっぱ、こういうセンスは麻里の方がいいな。 「二つ共、可愛いですね。何か、ラブ×2って感じですね」 店員が来て、ブレスを見て言った。 ラブ×2かぁ~~。 最近、言われた事がなかった為、少し恥ずかしかった。 「こちらでよろしいですか?」 『はい』 同時に答えた。 「早速、お二人は付けられますか?」 「そうですね。付けよっか?」 「うん!付けていきます」 「分かりました。それではこちらで会計致しますので」 会計を済まし、腕にラバーブレスを付けた。 暖かい時期でモール内はそれよりも暖かった為、上着を脱いでいる俺達はちょうど、見せびらかす様にブレスが目立っている。 「いいねぇ~~。ブレス」 「そうだねぇ~~。シルバーのバングルより、こっちの方が可愛い。しかも、オリジナルだしね」 ブレスを気に入り、手を繋ぎながら話していた。 俺はブレスで頭がいっぱいで気付かなかったが麻里の片手にはさっき下着のお店で買ったと思われる袋を持っていた。 「麻里。その袋、さっきの店で買ったの?」 「気付かなかったの?」
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