ありふれた日常

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麻里は吉祥寺で親と住んでいる。 働いている携帯ショップも吉祥寺だ。 学生時代はよく出掛けていて、職場が家の近くになり、あまり出掛ける事が少なくなったせいか、休みの日、俺と一緒の時は大体、出掛ける事が多い。 たまに友達と出掛ける事もあるみたいだけど。 俺が仕事の時はうちの合い鍵を持ってる為、掃除とか洗濯をしに来ている。 それには感謝している。 通い妻みたいな感じ? 俺は麻里の行動一つ一つが愛らしいと思っていた。 だったら、結婚しろよと思う所もあるかも知れないが、やっぱりそこはまた別の話しと俺は一線を引いていた。 この時、俺は出掛ける前に市販の薬と健康ドリンクを飲み、薬は効いているんだろうと思っていた。 いや、効いてると勘違いしていた方が正しいかも知れない。 ダルい体を起こし、火のついたタバコを消し、麻里と買い物に出掛けた。 「・・・・どのくらいで着くかなぁ~?」 ナビをセットした画面をいじくりながら、独り言の様に言う麻里に 「ん?30分ぐらいで着くと思うよ」 そう答えると麻里が 「え?あっ!ごめん。今、普通に独り言だった。 そっか。30分ぐらいかぁ~」 え~~?ホントに独り言だったんだ。 独り言を独り言の様な会話に勘違いをした俺は口にくわえたタバコが落ちるぐらいに笑った。 それは自分自身に対しての笑いだ。 「何?どうしたの?私、何か面白い事、言った?」 「違う。違う。俺が麻里の独り言を俺に言ってるのかな?って勘違いして、自分にウケてた」 「何それ~。さっきの私の話が透吾に話し掛けてた様に聞こえたの? 面白過ぎるよ、透吾。 やっぱ、透吾は何気に天然入ってると思うよ」 「うるせ~」 車内の二人はまるでそこだけ面白い物を見た様な状態で笑い続けていた。 たまに俺の天然さが出ると麻里は腹を抱えて笑う。 お腹が痛いと言うぐらいに。 ムカつく~と思ってる俺もつられて笑ってしまうとそんな気すら、知らずに忘れてしまう。 暫く、車を走らせているとナビが目的地周辺ですと伝えている。 目的地のショッピングモールに着いた。 駐車場に停めて、モール内に入っていった。
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