ありふれた日常

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ショッピングモールに入ると麻里は童心に帰った様に目を輝かせながら、パンフレットを夢中に見ていた。 「ここのお店見たいな~。あっ!ここもチェックしなきゃ!」 それは多分、さっきの様な独り言だろうと思い、笑いを堪えながら、麻里の事を見ていた。 「何?私に何かついてる?」 麻里が俺の視線に気付いた。 「何でもないよ。ただ、また独り言言ってるなって思ったら、面白くてさ」 「も~。いちいち、私の言葉拾わなくてもいいよ。透吾は何か見たい所あった?」 何でもない事が幸せだと感じる。 俺はそれが大切な事なんだと思っていた。 モールには俺も初めて来た為、隣でパンフレットを見てる麻里と同じく俺もパンフレットに目をやる。 ふぅ~ん。けっこう色々なショップが入ってるんだ。 見ると3階にあるアクセサリーショップに目が付いた。 何か面白そうだな~。 「ちょっと気になるお店があるかも」 「透吾~。私、あそこにあるお店に行って来ていい?」 「ん?いいよ」 目線の先にあるのは女性用下着を扱ってるお店。 さすがに男の俺が入る訳には行かず、待つ事にした。 でも、内心ホッとしていた。 いつも、麻里の買い物に付き合うとこっちが疲れる。 それを分かっている俺は 「そこは入りずらいから、俺ちょっと待ってるから、適当に見てていいよ」 と言うと、 「分かった~。ちょっと行って来るね! あっ!可愛い下着があったら、買ってくるよ~。 透吾も気になるって言ってたお店見てくれば? どうせ、私が長いの知ってるし時間空くでしょ? 「分かった」 そそくさと店に入る麻里に返事を返した。 言われた通り、さっき気になっていた3階のアクセサリーショップを見に行く事にした。 「いらっしゃいませ~」 心地よく迎えてくれた女性の店員さんに軽く会釈をして、店内を見渡す。 見ると、お客さんは女の子が多い事に気付く。 やっちまった・・・・ 店内は女の子向けのアクセサリーが並び、男の俺が一人で入る様な所ではない事を痛感させられる。 ふと、見ると一つのブレスレットに目がいった。
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