ありふれた日常

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『ラバーブレス』 自分だけのオリジナルを作ってプレゼントにどうぞと書いてある。 いいなぁ~、これ。 ペアリングはしてるから、今度はペアのブレスでもしようかな。 そう思い、店員さんに声を掛けた。 「すいません。このラバーブレスを欲しいんですけど」 「種類がたくさんあるんですけど、お気に入りの色はありますか?」 そう言われ、少し悩む・・・・・ 麻里はピンクが好きだから・・ 「えっと、彼女がピンクで俺は黒にしたいんですけど」 「かしこまりました。その色のブレスとパーツをお持ちしますので暫くお待ち下さい」 「はい」 緊張したぁ~~。 俺はどっちかと言うとこーいうお店で話すのは苦手な方でいつも麻里がいると麻里が積極的に話しをしてくれる。 男としてはどうなんだ?って思う所はあるけど、俺は充分承知している。 だから、余計に最悪か・・・ 麻里の尻に敷かれている。 そう表現するのが正しいかも知れない。 いつも、どこ行くにも麻里が決めるしな。 そういう面では麻里には負けるし、感謝しなきゃいくない部分だな。 「お待たせしました。 こちらがブレスでパーツはこの中からお選びになって好きな物を作って下さい。 ゆっくり選んで下さいね。 また、分からない事があれば声を掛けて下さい」 そう言うと、店員さんは違うお客さんの接客を始めた。 俺は椅子に座り、どういうブレスにしようか迷う。 う~~ん。チャームもいいし・・・ラインストーンも捨て難い・・・ 優柔不断な俺・・・ どうしよう・・そんな事を思いながら、ブレス作成に夢中になっていると携帯が鳴った。 夢中になっていた俺は画面も見ずに電話に出る。 「もしもし?」 「透吾~?今、どこ?店から出たら、いないんだもん」 「ん?今?3階のアクセサリーショップにいる」 ホントは内緒にしてプレゼントするつもりだったが、夢中になるあまり、早く電話を切りたかった俺は場所を言ってしまった。 あ!ちょっと待っててと言えばよかった。 時は既に遅し・・・ 「分かった~。すぐにそっちに行くね!」 しょうがない・・・ 電話を切り、またブレスの前で悩む・・・
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