第1章 バイオリン少女とテニス部レギュラー

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その日の夜、麻羽はリビングにいた。幸い、今は義母も義父も仕事でいない。 そんな静かなリビングから音がした。電話の音が それに気付いた麻羽は、急いで電話をとる。 「もしもし、佐川です」 麻羽の苗字が白湯川であっても、此処の主の苗字は佐川。 『もしもし、麻羽? 小塚やよ』 電話の向こうから、小塚の声が聞こえた。 久々の小塚からの電話に麻羽は少し驚く。 「ふぇ!? こ、小塚君?どないしたん?」 『や…前、数学でわからんとこがあるーって言ってたやん? それできたん?』 「大丈夫!見事克服したで」 麻羽が嬉しそうに言う。 『ならええんや…ちょい、心配になってなぁ…塾行かせてもらってるん?』 彼の言葉に麻羽は戸惑う。少しの間、間があいた。 麻羽? と彼の声が聞こえると、麻羽は急いで返事をした。
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