第1章 バイオリン少女とテニス部レギュラー

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「あ、そうだ小塚君」 麻羽が何か思い出したかのように話しかける。 だが、彼は麻羽にストップをかけた。 「ちょいまち…なぁ、山木…さっきから俺らの後ろで盗み聞きしてる奴ら誰?」 すると、後ろの草むらがガサッと反応する。 「…何かおる 動物さんやろか?」 「あぁ、えーなぁ 俺、麻羽ちゃんの天然聞いてるだけで心が和むわぁ」 山木がのほほんとした笑みで言った。 麻羽はウチ天然ですか? という表情で草むらに目をやっていた二人を見た。 「山木、何かオッサン臭いで」 小塚が呆れ半分に言った。 「酷っ! お前、日に日に毒舌になっとるわ お父さん悲しッ」 「俺…そんな阿呆で変態親父いらん」 呆れ半分から完全に呆れ顔で小塚は言う。 山木は、息子が父を虐めてくる…と呟き拗ねたようにしゃがみ、地面に円を何回も書く。
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