第1章 バイオリン少女とテニス部レギュラー

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小塚と山木の会話の内容を理解できない麻羽は草むらの中を覗いた。 そこには二人の男子生徒がいた。一人は小柄で童顔の子。もう一人は童顔の子とはまったく逆の体格をもつ青年。 「あ、島谷君と柳瀬さん」 「「あっ」」 島谷と柳瀬がハモった。 見付かったのを観念したのかわからないが島谷は出て来るなり麻羽に抱き着いて 「やっほ、麻羽先輩♪」 とニコッとして言った。 麻羽にとって島谷は麻羽の一人下の学年で童顔、つまり可愛い後輩なのだ。 すると、しゃがみ込んで拗ねていた山木が立ち島谷の方を指差す。 「いーけないんだ、いけないんだー島谷はいけないんだー! ぬけがけはこの山木様と小塚が許さ―ウッ!?」 「俺は、嫉妬という醜い感情は持ち合わせてないで」 男の嫉妬はかっこ悪いねんで、と最後に付けて小塚の毒舌とチョップが山木に炸裂。
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