第1章 バイオリン少女とテニス部レギュラー

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「何や、ノリ悪いわぁ…俺すっげぇ虚しいんデスケドネ」 「さっすが小塚先輩♪山木先輩とは一味違いますね」 今度は島谷の言葉が炸裂。山木自身、グサリと胸にトゲが刺さった音がした。 「ウ…柳瀬ー! 皆が俺を虐めんのやぁ! なんとか…って何してんの」 柳瀬はさっきの草むらの中で座ったままぶつぶつと呟いている。その光景はかなり奇妙で恐ろしい。 「…あれは…こうで…に」 柳瀬はよくわからない青年だ。自分の世界に入り何かを考えている。妄想なのか想像なのか…それとも呪いなのか…。 そんな空気を破ったのは小塚の声。 「そろそろ時間や、あ、ゴメンなぁ…何やったけ麻羽」 今まで、麻羽はのほほんとした笑みで皆を見ていが、彼の言葉で我に帰った。
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