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結局、一晩この子を抱いて一緒に眠ってしまったが、これからどうすればよいのだろう。
警察に届けるか…
いや、落とし物扱いは可哀相だ。
保健所……
いや、どちらかというとほぼ人間だし。
「どっちも同じか」
そうなのだ。考えてみればこの子が世間に知られれば大問題になり兼ねない。否、必ず社会問題になって……動物愛護団体も黙っちゃいないだろう。
このまま自分の家において一緒に生活するのも問題といえば問題なのだろうが、将来この子が実験室に送られるより全然マシ……な筈だ。
いやでも、万が一この子がここにいることが世間に知られて、警察が押し入って来たりなんてことも…。そうしたらこの子はまた昨日みたいに泣いてしまうのではないか……どうすれば……、
「…………………雑魚は……、…咬み殺す」
そうだそうだ、そうすればいい。警察だろうと何だろうと関係ない。自分は何をこんなに悩んでいるのだ阿呆らしい。この子を守る為ならなんだって……
「…………、」
そこまで考えて、ひばりは自分の飛躍した考えに赤面した。
同時に自分はもう、この子と暮らすことを決めているじゃないかと苦笑するのだった。
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