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「お祭り男爵だぁ?お前が最近噂のやつか?……こんなガキだったとはな。なんだ?うちの焼きそばでも食べたいのか?ハハハハハ」
ヒューイは男のからかいの言葉に真面目顔で腕を組み、焼きそばの屋台をお面の隙間からちらりと焼きそばに視線を向け首を傾げて宣う。
「焼きそば?……そうだな。一ついただこうか、青ノリたっぷりでマヨネーズも付けてくれ」
「はい、毎度~紅生姜はどれくら……ってアホか!!ガキ、ふざけたお面被りやがって!!」
「はっ!?お面の口に穴がないから焼きそばが食べれない……」
「あほか外せばいいだろ!!ガキ!この手の怪我どうしてくれんだ、あぁ!?」
律義にツッコミつつも男は激昂し、いつの間にか引き抜いた手に刺さっていた綿菓子の棒を投げ返す。
「軽快なツッコミとはやるな。焼きそば屋」
そう偉そうに言いつつ一直線に飛んできた棒をろくに見もせずに悠々と掴んだ。
すぐに懐にしまいお面のせいで他の者には分からないが、目を細め静かな怒りを込めた瞳で冷淡に言う。
「お前、そこの二人のが重傷だろ?明らかにやり過ぎだ。周りの大人も見て見ない振りしやがって……女の子を殴るようなクズは……半殺しだ」
ヒューイから膨れ上がったプレッシャーに怯んだ焼きそば屋だが、相手が子供だというのもあってか負けじと返す。
「いい度胸だガキ!!死なす!!」
男は地面を蹴りヒューイに向かって駆け出し、殴り掛かろうと向かってきた。
標準的な一般成人男性のスピード、物腰からして何か武術をやっているとは思えない。
先程ヒューイはただふざけているのではなく、会話しながら男の性格、頭のキレを分析していた。戦いは出会った瞬間から始まるものだ。
男は短気で単純……フェイント等は多分ない。
ヒューイは迫り来る男を冷静に見据え、男の無駄な動作が大きいフックを無駄のない洗練された動きで余裕でしゃがんで躱し、鋭い足払いを放つ。
男はすっころび、あまりの威力に前転し地面に鈍い音を立て背中を打ち付けた。
「ぐあっ……このガキ!!」
男が痛むであろう体を無視して、起き上がろうと両手を後ろに付き上半身を起こすと、容赦なくヒューイの蹴りが顔にめり込んだ。
「ぺぎゃっ!?」
男は奇妙な悲鳴をあげ背中で地面を擦りながら滑り飛ぶ。
「ぐふっ……この!!」
再び体を起こそうとするとまた顔に蹴りが叩き込まれた。
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